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長崎旅行記 ~川棚の町で~

川棚の町に着いて、車でウロウロと走り回りましたが、何もわからないままでした。「たくさんの官舎が並んでて、それが町営住宅になってたから、建て替えてるかもね~。」母はそういうのですが、大きな町営住宅の様な物は何もありません。家があったのは山のほうに行く途中だというので、山のほうに走っていくと、狭い道に入り込んでしまい、軽自動車でしたが恐ろしい細道に入ってしまいやっとのことで走りました。仕方なく、昔は無かった川棚警察署へ行ってみました。母は昔の住所は覚えていたのですが、その町名はもう無くなっていたのです。「新百津っていうところです。」母が言いますが、今は「百津郷」という地名しかありません。警察署では若いお巡りさんがいろいろ聞いてくれましたが分からず、お巡りさんの勧めで母が通っていた川棚教会へ行ってみることにしました。
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教会へ行ってみれば、家へ帰る道を思い出せるかもしれない、と言うのです。川棚教会で母は洗礼を受けたと言っていました。教会には鍵はかかっていないので、教会の中にも入って中を見学させていただきましたが、誰もおらず、写真撮影も禁止なので、写真も撮りませんでしたが、小さな綺麗な教会でした。
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でも、教会の周りもかなり変わっていたようで、「ここに大きな蓮の池があったはず。」と言うところには家が建っているし、教会の敷地も狭くなっているようです。
母が住んでいた時から60年も経っているし、昔の住所へ行ったところで、昔の家が残っているわけ無いのに…。と諦め顔で、でも母の気が済むまで川棚の町を見せてあげようと思って、母の後ろを歩いて行きました。すると、教会の外を歩いていた母が近くの古い家に気が付きました。「これ、この家は昔の官舎!この形だよ!でも、私達が住んでいたのはもっと小さい家、これは偉い方の兵隊さんたちの良い方の家だ。」そして見ると、母の言うとおり、細い道沿いに、幾つか同じ形の古い家を見つけました。改築したり、増築したりしているけど、確かに、面影があります。
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そして、母がいう道をトコトコと何メートルも歩いて行くと、「この形!私達が住んでいた家と同じ形!」と言います。なんと、60年前と同じ家が残っていたのです。とても小さな家です。今も住んでいる人がいるのかもしれないので、大きな声では言えませんが、よく、残っていたな~と、いう感じです。でも、母によると、とてもたくさんの同じ形の家があったはず、と言います。残っているのはそんなにありませんでした。残っている家の間を通りながら、「こういう狭い家と家の間を走り回って遊んでいたんだよ。」と言っていました。「払い下げになったんだね。」と、母は言いました。昔は町営住宅だったのに、今は個人のお宅のようです。払い下げ?の意味が私には余りピンと来ませんでしたが、昔はよくある話だったのでしょうか?
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古い家は何戸かまとまって残っていましたが、でも、母が住んでいた家と場所は違うと言います。「同じ形の家をみることができたからもう満足だよ。」母はそう言い、川棚の町を後にすることにしたのです。

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この日はハウステンボスに泊まる予定でした。
川棚駅は小さな駅でした。「川棚銀座って言ってね、賑やかな通りがあったんだよ。」

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母の思い出の中の町と今の川棚はだいぶ違っていたみたいです。
by usakichi71 | 2016-10-11 21:12 | おでかけ | Comments(0)
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