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伊勢旅行へ 4 ~ミキモト真珠島~

旅の二日目、天気予報は関東地方にも雪が降ると言うものでした。伊勢の方は降らないのですが、我が家の方には5センチの積雪が予想されています。せっかく来たので、せめて一番宿に近いミキモト真珠島だけは見て帰ろうと思いました。でも、ノンビリしている娘も一緒なので、宿を出たのは10時でした。鳥羽の駅前に着くと、御木本幸吉さんの銅像がでーんと、立っていました。これを見たときには、まだ御木本幸吉さんの偉大さは分かっていなかった私です。
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ミキモト真珠島に着くと入口で、10時20分から海女の実演があります。と言われました。こんな寒い厳寒の2月にもやるの?と思いましたが、せっかくなので走って見に行きました。
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見るだけで寒い~!この時の外気温は5℃、海の中はもう少し高い温度でした。海の中のほうが暖かいだろうけど、そうはいっても10℃くらいだったので、やっぱり冷たい!今は海女が海に潜らなくても漁や養殖の仕事が出来るので、海女はこうして観光の実演をするくらいなのだそうです。昔は夫婦で船を出して漁をしたりしていたんですね。腰に紐を付けて、引っ張ってもらったりしたようです。

海女の実演の後は真珠博物館に入りました。展示を見て真珠の事が本当によくわかりました。入口近くに展示されていた御木本幸吉さんと貝に付いている5つの半球の真珠。この意味は展示を見終わってから分かるのですが、この真珠島で日本で初めての養殖真珠が出来上がるのです。

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1階では真珠のメカニズム、養殖の方法などをとても細かくわかりやすい展示で教えてくれます。真珠は砂等の異物が貝の体の中に入り、貝がその回りに貝のからの内側と同じ成分を作ることで出来上がります。貝の種類によって出来上がる真珠の色が違う事や、大きな真珠は大きな核を入れなくてはいけないので、大きな貝のほうが成功率が高いこと等、丁寧に教えてくれます。

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同じアコヤガイでも出来上がった真珠には色々な色や形があります。丸くならない物も、あれば白くない物もあります。
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途中で死んでしまう貝もあるので本当に綺麗な真珠はほんの少ししか取れないのです。
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とれた真珠も大きさ、色、艶、などを何回も何回も選別にかけ、一つの製品に仕上げていきます。真珠は高価な物だな…と思うけれども、これだけの手間と年月をかけて作り出しているものならば当たり前だと思いました。

さらに2階では真珠の歴史が分かる展示がありました。真珠は昔は日本よりも世界で人気だったのです。御木本幸吉さんも真珠を外国人が高額で取引しているのを見て養殖を考えたそうです。養殖真珠が出来る前は自然界で取れるのは小さな粒粒の真珠がほとんどで、それでも人気があったのです。丸い真珠はとてもとても珍しくて、ものすごく高価な物でした。養殖真珠が無い頃のアンティークジュエリーが数多く展示されていましたが。丸い真珠はほとんど付いていません。でも、素敵でした。あんまり展示が充実しているので、見ているともう1時間以上たってしまいました。資料のコーナーにいた係の方がとても熱心に見ていただいて嬉しいですと言ってくれました。そして、良ければ御木本幸吉記念館も見て行ってくださいね、と言われたので、少し歩いて島の裏側にある御木本幸吉記念館も見て行きました。
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御木本幸吉記念館には御木本幸吉さんの人生を紹介する展示がありました。鳥羽のうどん屋の息子に生まれた幸吉がなぜ真珠の養殖をするようになったのか?そして真珠の養殖を成功させるまで、どんな苦労があったのか?アニメーションなどの展示を含め、とても面白く見ることが出来ました。うどん屋「阿波幸」が再現されています。
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そして、一緒に真珠養殖に取り組み、自身は真珠どころか何の贅沢もせずに32歳で亡くなった奥さまの「うめ」。あの最初の5個の半球の真珠は、うめと幸吉がこの真珠島で養殖した2000個のアコヤガイから生まれた物だったのです。それ以外にも5000個のアコヤガイを赤潮で失ったり、真珠の核にするものも色々試したり、本当に丸い真珠の養殖に成功するまでには何年もの歳月とお金が必要でした。戦争もあったし、天然真珠で商売していた人たちには養殖真珠は大打撃だし、いろんなことがあったと思うけど、今こうして素晴らしい真珠が世に出回っていて、ちょっと高いけど、みんなが真珠のアクセサリーを使えるのは、御木本幸吉さんとそれを支えたうめさんのお蔭なんだな…とシミジミと感じ、御木本幸吉さんを見る目が本当に変わりました。鳥羽の駅前にあんなに大きな像が出来るのは当たり前だ~‼
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幸吉さんはユーモアのある素敵な人だったみたいですね。再現された部屋で、色んなエピソードも流されていました。
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あっという間に2時間以上たってしまい、心配症の夫に早く帰らないと、新幹線が止まる!と言われて、慌てて名古屋へ行く列車に飛び乗りました。なので駅前にはたくさんの海鮮のお店があったけど、お昼ご飯はまたもや駅弁です。帰りは「松坂牛めし弁当」。半熟卵が付いていて美味しかったです。
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でも、上り電車は通常運転で遅れていませんでした。小田原を過ぎるあたりから雪景色になりましたが…。三重より神奈川のほうが寒かったのね…。
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ミキモト真珠島ではミキモトの素晴らしいパールジュエリーも売っていましたが、もちろん高くて手が出ないので、お土産コーナーのシルバーのアクセサリーを買って来ました。チェーンはシルバーだけど真珠は本物です。これは6月生まれの二女にプレゼントしました。6月の誕生石は真珠ですもんね。私の分は無いけど、娘が付けてくれたら、そのたびにこの旅を思い出すと思います。そんなに高価なわけではないけど、大切にしてくれたら嬉しいな。

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伊勢旅行記はこれでおしまいです。


by usakichi71 | 2019-02-12 18:34 | おでかけ | Comments(0)
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